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日本勤労者協議会連合会
にほん勤労者ネットワーク

No.126 2015年8月26日



全体会議
15年〜16年度役員体制
総会アピール

第1分科会 まちづくりと勤労協運動
第2分科会 脱原発・再生可能エネルギーへの闘い
第3分科会 戦争をさせない平和運動への闘い
活動・財政方針小委員会報告

山形県の全国総会実行委の皆様、ありがとうございました

第2分科会「脱原発・再生可能エネルギーへの闘い」 発言要旨


● 座長 矢野俊雄(熊本県勤労協)
● 記録 加世田和志(長崎県勤労協)
● 執行部 橋本勝六(日本勤労協事務局長)・篠原清(日本勤労協幹事)
● 問題提起 野呂正和(鹿児島県勤労協事務局長)議案書34〜35頁参照


分科会

冒頭、日本勤労協橋本事務局長より問題提起。

★橋本勝六(日本勤労協事務局長)

 2011年3月11日の東日本大震災で自然の災害の恐ろしさを感じた。福島原発事故が起き歴史的な原発事故であった。4年余がたったが未だに収束の見通しがたっていない。脱原発を求める皆さんは、脱原発1000万人アクション行動をはじめ運動が全国各地で行われ、一定の運動の前進がある。事故から4年余がたち運動の風化がされている部分もある。マスコミの報道も減っている。こういった中でも運動を高めていかなければいけない。大飯原発の裁判、さらには高浜原発の裁判での樋口裁判長が、示した判決「規制基準が緩やかすぎる」「原発の安全性が確保されていない」と原発の差し止めがされた。明確に裁判で示された。

 勤労協の中にも原発をかかえている地域もあり、いろんな経験、課題、これからの運動の方針を含めて意見をだしていただき、運動の認識を一致させ、運動の方向性を出していきたい。それを事務局として発信していきたい。

分科会

★野呂正和(鹿児島県勤労協)

 福島事故課題もあり、何ら解決をしていない中で、川内をはじめ各地で再稼働をする動きがある。鹿児島でも色んな取り組みをやってきた。
 一番の住民の皆さんの懸念は避難計画なんです。5キロ圏内の人がまず逃げて、そのあと5キロ以遠、30キロ以遠の人たちを逃がしていくんだという話になっている。風の方向も考えていないなど問題が多い。避難計画全く実行性がない。自治体でも色んな動きがあっている。姶良市では議会で廃炉を求める陳情が採択されている。いちき串木野市3万人人口、署名を取り組み半数が集まった。しかし、首長がそれに全く反応しない状況。市民団体と協力し取り組んでいる。

 5月27日九電交渉にいきました。警察を導入し、100人を引っこ抜き、退去命令を出し、帰らざるを得なかった。来年4月から電力の自由化が始まる。2020年から発送電分離が始まる。私たちは、他の電力を買うことを通告しようと思っている。九電から買わない。今後の運動につなげていきたい。川内ゲート前基金のご協力のお願いをしたい。

分科会

★猪狩匡資(福島県・双葉勤労協)

 第1原発事故があったところの勤労協です。会員は福島県内はもとより、関東、新潟、青森まで避難している状態です。新たな生活をしているのが半数以上になりました。健康、家族の悩み等あるが、家を建てたり住まいを見つけたりで引っ越しをしない、あっちこっちいかなくてよいという安心感もある。会員がバラバラになっていて、勤労協でまとまって何かすることができない。

 原発事故から4年がたったが課題はたくさんある。甲状腺の調査について報告します。原発事故の後、平成23年〜25年、3年間かけて、県内の18才までの子どもたち37万人を対象に甲状腺健康調査が実施された。この結果、がん又はがんの疑いがあるといわれた子どもが109名。県立医大が実施してやっている。医者は、がんの発症率は100万人に1人だと当初いっていたが、結果は全然けたが違うと、これまでこれほど精密で大規模な調査をやってなかった。それで、これだけの人数が出たんだと。その後2年ごとに定期的に調査をやるとなって平成26年から始まり、それから1年たって本格調査となり、対象が38万5千人で15万人が調査を受け、甲状腺の腫れものが大きいとか2次検査にまわったのが1043人、結果として6才〜18才の子供たち15人が、がん又はがんの疑いとなっている。

 この子たちは3年間の検査では症状が出ていない子どもたちでした。この結果を受けても医者は原発とは関係ないと言っている。今後注意深く見ていかないといけない。18才までは無料で治療が受けられたが、19才から自費となっていた。おかしいと言うことで署名活動、国会での省庁交渉を行ったり2年かかりましたが、19才以上も無料で治療が受けられると国が認めるようになった。

 社民党、労働組合、市民団体で、いわきに福島原発労働者相談センターを立ち上げた。これは原発労働者がいわきに宿をかりているということ。勤労協は協賛団体ということでサポートしている。福島原発では毎日7000人が作業をしている。この廃炉作業があと40年続くと言われている。作業も2次、3次下請けは、まだましで、それ以下は法令違反も当たり前、労働条件も悪い、健康管理もおざなり、不安定な状態で働いている。不満をもっているが相談するところがない。それで相談センター立ち上げた。2月に立ち上げ4か月10数件の相談が寄せられている。

分科会

 東京電力と交渉し、解決をしており、感謝される状況。今後ともチラシ配布、学習会など相談センターで考えている。再稼働反対の運動と同時に、私も福島第2原発の廃炉の闘いが求められている。
 案内ですが、8月1日原水禁福島大会、2日はフィールドワークとして双葉郡内の視察をすることになっている。バスで行きますが、バスから降りられるところはなくバスからですが、現地をみていただき、課題について話をさしていただくという企画になっています。自分の目で原発事故のすさまじさを見ていただければと思っています。

★多名賀哲也(石川県・羽咋市勤労協)

 志賀原発から15キロの所に羽咋市勤労協がある。志賀町勤労協は志賀原発をかかえているということで頑張ってきた。運動的には17年程前から約30台の測定器を使って志賀原発の監視行動を行ってきた。志賀原発は、3・11前から事故があり、止まっている。

分科会

 3年前、9月議会にあわせて市役所前にテント村を設置し、2週間にわたる座り込みを貫徹した。その結果市議会としても北陸電力に原発の稼働に対する是非と安全行政を要求することを認めさせた。少なくとも原発周辺の自治体の各勤労協は、色んな形で再稼働を許さない闘いを是非頑張っていただきたい。現地への結集がやはり大事。

 川内原発が強行されれば阻止行動展開するということでテント村を少なくとも100はいるということで準備をしている。色んな支援の行動を考えるべき。原水禁、地区労も現地行動をするべき、力が弱っているならそこに勤労協も一翼を担うべき。

 再生可能エネルギー風力、太陽光、太陽光パネルを考えるが、日本はすばらしい再生可能自然エネルギーをもっている。それは水力です。北陸電力500万〜600万キロワットの発電能力をもっている。水力は200万キロワットの能力をもっている。現に電力会社も有効に使っている。このことも忘れないでほしい。原発を抱える地元も勤労協として命のネットワークの運動を引き続き活動を続けていきたい。

分科会

★木村正幸(宮城県・石巻勤労協)

 震災後、さよなら原発で4回の集会を行っており、今年も7月末に予定をしている。昨年は、女川現地で集会を行い、1500人が集まり、全国からも多くの賛同金を頂いたことに感謝を申し上げます。

 宮城県は昨年12月に各自治体に避難計画を出し、年度内に各自治体で避難計画を出す予定だったんですが、まだどこも作成されていない。福島の状況をみても30キロの線で区切れる状況ではない。30キロ圏内自治体だけで論議をするのはどうかという問題提起もされている。宮城県原子力災害の避難訓練をしたが、自治体担当者から言わせると茶番の訓練だと。今後、避難訓練の追跡行動を行っていこうと考えている。女川は、1年再稼働が伸び色んな問題もあり、まだ先の話だと思うが、石巻当局には、実行性ある避難計画がない限り再稼働はないと問題提起をしている。今後も脱原発の運動を地域で展開していきたい。

分科会

★菅野慎治(山形)

 山形では、女川原発の再稼働を許さない闘いが求められている。山形県平和センターでは、毎月1回、脱原発、戦争反対とかデモ行進を行なっているが、その他にも、市民団体と毎週1回、金曜日の夜デモ、第3日曜日のデモ、月1回のさようなら原発1000万署名を取り組んでいる。

★林昇司(山形県・大江町勤労協)

 農業者です。クリーンなエネルギーを使いたい、持続可能なエネルギーを使いたいと言う人が多いと思います。原子力エネルギーは高層マンションのトイレだと認識しています。皆さんから助言をいただきたいんですが、この後、発送電分離が行われていると聞いていますが、原発をほおむりさるには、原発を買わないということ。選択肢として、自分たちでエネルギーをつくるということ。屋根のソーラー発電をつける。牛の糞や尿でメタンガスを発生させて使っている。個人的やっている人がおり、やれることは色々ある。

 みんなで買わなければ良い、そのためにはどうするか。少々高くても他のエネルギーを買うこともあるかもしれない。その時にリスクなるのは何か、メリットは何か、運動としてみんなで手をつなげるか。提案をいただければと思っています。


★座長:再生エネルギーという一つの問題としてあるわけで、そういうお話、反原発集会に参加するのにどうやって資金を作ったのかなど経験のお話も良いと思います。引き続きご発言を


分科会

★藤岡郁夫(福島県・福島市勤労協)

 勤労協の年間行事の多くは、原発に関わるものとなっている。今は会員の活動も脱原発運動で活性化している。原発事故は多岐にわたる影響がある。原発の放射能被害というのは足し算であると認識していただきたい。積算線量ですので積みあがることがあっても減ることはない。

分科会

 勤労協会員の職場での現状ですが、郵政の職場は、大きな問題は人手不足です。原発関連の郵便物も増えて、回覧で回していたものが郵便になっている。世帯数の増加です。被災者は、仮設が注目されがちですが2割で、だいたいは空家を借りたり、アパートに住んでいたり借り上げ方式で、福島では空き家、空き室がほぼ埋まっている。郵便物が増えるより、世帯数が増えることが大変である。

 教育現場ですが、保護者でも放射能の考え方が違って、プールに入るのか入らないのか、給食なのか弁当持参なのかなど個々の生徒で判断・対応をしなければならないとか従来に比べて大変忙しくなった。早期退職も年々増えているのが現状です。自治労ですが、県予算が9000億だったんですが、事故対策も含めて、一昨年で2兆2千億円、と倍になっています。この予算を消化するのに長時間労働に加えて多種多様な作業で労働負荷の状況になっている。

 プルトニウム半減期で2万4千年。次世代、その次の世代に丸投げしてしまうのが原発の廃棄物問題です。愚かなもので、10万年の子子孫孫が悪影響を被るということをきちっと受け止める共通認識をもつべき。原発の廃棄物問題は各都道府県が影響を受ける問題である。

★堀内武治(静岡県勤労者協議会会長)

分科会

 浜岡原発の現状と状況を話します。浜岡原発は完全に停止している。しかし、3号機と4号機を稼働させようとしている。津波対策として22メートルの防ちょう壁、あらゆる安全対策を進めながら、地元の自治体に見学を求めている。平成26年2月4号機への新規制基準への適用審査申請がだされました。3号機も6月に出された。1、2号機は廃炉。

 掛川市は、住民の同意がなければ再稼働は認めないという立場まで意見書等の採択を通じて作ってきた。浜岡原発は、平成29年度に安全対策の状況みて大きな山場になるとみて、常設型の住民投票条例をつくった。住民の6分の1の署名が集まれば住民投票ができる。浜岡原発については、しっかり止めていく運動を強めていきたい。

★宮下正一(福井県勤労協)

 石川知事に対する再稼働するなという署名が27万近くになり、知事に渡そうとしたが全く会ってくれなかった。最終的には、県に渡して皆さんの気持ちを伝えた。署名はまだ継続しますので、協力をお願いします。福井県内で、高浜原発から30キロ圏内は5万5千人。京都府は12万8千人。福井は全体で15基の原発がある。住民の半数以上は原発反対だが、なかなかまとまらない。脱原発若狭湾共闘を4月15日に結成した。京都府、滋賀県、岐阜県、福井県の4つの団体でつくって原発再稼働を止めようと動いているところです。9月6日に京都で1万人集会をやろうとしている。


分科会

★座長:鹿児島から発送電分離という話の中で、九電から電気を買わないとかあったと思うんですが、補足があれば教えてほしい。


★野呂正和(鹿児島県勤労協)

 今までは地域独占で、私たちは九電から買わざるを得なかった。東京都庁は他の民間から買っているのでなかったですか。どんどん進んでいくのでは、さらに発送電分離が進むと、少々高くても安全な電気を買う。運動としても自分たちの取り組みとしてできる。買わないということを突きつける。自由化と発送電分離は大きな力になる。

★木村正幸(宮城県勤労協)

 ドイツでは実際自由化がされていて、原発が嫌いな人はちょっと高くてもソフトエネルギーの電気を使っている。新しいエネルギーを検討していくべき。日本では太陽光は、電力会社が逆に制限している。

分科会

★我妻薫(宮城県・小牛田勤労協)

 東北電力から買わないで民間から電力を買っている。風化が一番心配。私たち議会も町長を連れて浪江に入りました。現地を見てもらって、揺れ動いている議員にも現場を確認させた。工事に入る前に、津波の現場そのまま確認して原発の危険性を町全体、議会全体のものにしようという取り組みもしてきた。今報道もほとんどされない。全国に発信する、勤労協も手伝いながら現場の状況を全国共有させることが必要。

★田辺 和司(香川県勤労協)

 お灸をすえるには、商品を買わない。自由化になれば、原発のない電力会社から買えるなら興味があるなということで発言しました。

★橋本勝六(日本勤労協事務局長)

 13人からご意見、発言していただきました。論議も深まったと思います。山形の林さんから原発の電気を買わないということが出来ないかというご質問がありました。具体的には持ち合わせていませんが、今皆さんと話をしたようなことを皆さんのところに情報として、届けたい。

 日本勤労協というネットワークの情報誌とホームページを使って各地の色んな運動を伝えていきたい。情報を共有できたらいいなと思います。私たちもこれから勉強をしなくてはいけません。

 不買運動が本当に効果があるのか、民間の電気を買うと言うことは良い影響があると思います。電力会社は電力をそれぞれ共有しているわけです。片方の電力がなければ融通しあうと部分もあり、不買運動がどれだけ効果があるか検証していかなければいけない。

 皆さんで色んな情報を出し合っていただいて、全国に発信をしていく。避難計画の問題も脱原発に向けての住民への問題提起なっていけばと思う。福島原発労働者相談センターの取り組み、状況も発信していただければと思います。脱原発、憲法改悪運動、集団的自衛権もそうですが、連合が運動の姿勢を発表できないというところに大きな課題がある。そういうところを日本勤労協が一翼をになって、運動を高めていこう。その役割を果たしていただきたい。

分科会

第27回全国総会 目次

全体会議
15年〜16年度役員体制
総会アピール

第1分科会 まちづくりと勤労協運動
第2分科会 脱原発・再生可能エネルギーへの闘い
第3分科会 戦争をさせない平和運動への闘い
活動・財政方針小委員会報告

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