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静岡県勤労者協議会連合会
しずおか県勤協連ニュース

写真188 2006年2月27日

第43回県政懇談会・特集号

 ・労働力確保についての要望と回答
 ・環境対策についての要望と回答
 ・自然災害対策についての要望と回答

発行静岡県勤労者協議会連合会
Tel&Fax 054-273-5130
E-mail shizuoka@kinrokyo.net


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第43回県政懇談会の開催

 2005年度県政懇談会は、第5回幹事会で各地区勤労協が検討してきた課題を集約し要望書にまとめ、2月県議会開会を前にした、2月17日に開催された。

 当日は懇談会に先立ち、10時から第6回県連幹事会を開催。当日の日程や懇談会の進め方等を決定した。

 10時30分から副知事室で、鈴木雅近副知事へ岡本会長が要望書を提出。鈴木副知事から「要望事項についての問題点は理解しているので関係部局との懇談を積めてほしい」との回答があり、県勤協連側から内容が副知事へあがってきた場合の善処を要望した。また、副知事から「要望書にも記載されている『もりづくり県民税』は、環境問題だけに止まらず、ふるさとづくり、まちづくりの面からも貢献していけると考えているので、賛同と協力をお願いしたい。資金の活用については皆さんからもよい知恵があれば聞かせてほしい」との表明があった。

 続いて、商工労働部長室で梅田商工労働部長と県連三役が懇談。県連側から要望書記載の意見表明を個々に行い、商工労働部長からは最近の県内企業における雇用情勢や、少子・高齢化問題対策等について考え方が述べられた。 

 11時10分から、県議会平成21会議室において、各地区勤労協代表と県連役員が合同して本年度県政懇談会を開催。岡本会長から今回の要望書の内容や問題点について説明。遠藤労働政策室長から県の労働政策全般にわたる内容説明を兼ねたあいさつがあった。

 続いて、望月労働福祉係長の司会により、要望書各項に対する県側の回答と質疑が行われた。



05年度静岡県連県政懇談会要望書と質疑事項
要望書第1項について(懇談時間50分)

要望事項

 日本の人口は、昨年10月実施の国勢調査の結果、史上初めて人口が減少に 転じたとみられ、少子・高齢化が一層進む気配です。勤労者の家庭では子育て と仕事の両立が難しく、結婚へのためらいも出ています。子育て家庭への経済支援や就業支援に対する県の「しずおか次世代育成プラン」を充実させるよう要請すると共に、その具体化について私共の要望も聞いていただきたい。

 また、団塊世代が大量に定年に達し、企業における生産技術継承に陰りが生 ずるといわれる07年問題など、こんごの労働力確保、人材確保等はどのように考えていますか。ご説明をいただきたい。

質疑応答

質問静岡県勤協連側の質問・要望  回答静岡県側の回答要旨

question.jpg30年前の74年版人口白書では「出生抑制に一層の努力を」という時代状況が、05年10月国勢調査の結果、史上初めて人口減少時代を迎えた。この主たる原因には「家庭を持って子育てをすることに価値観を見いだせない」若者が増加していることにあると思われる。

 その対策には多くの課題があるが「子どもを生むと損だ」と考えさせるような就業実態や、子育て世代を冷遇してきた雇用のあり方にあるように思われる。

 私たちは、少子化対策の中心は子どもを生むことを躊躇する原因を取り除くため、子育て家庭への経済支援と就業支援の充実にあると考えている。静岡県が策定している「しずおか次世代育成プラン」の具体的な内容説明と進行状況について聞きたい。

answer.jpg平成15年7月に施行された「次世代育成支援対策推進法」に基づき、静岡県は平成17年度から21年度までの5年間における少子化の流れを変える施策と少子化社会へ向けての取り組みについて「しずおか次世代育成プラン」を策定した。その内容は別掲の通りである(内容の説明あり)。この行動計画に基づき、7つのブランごとに施策を進めている。また、平成22年度以降の計画も策定中である。 

question.jpg政府は、本年1月15日、少子化対策を推進するため、従業員301人以上の企業に策定義務を課した仕事と育児の両立支援に関する「行動計画」を、各社が自主的に公表するよう求める方針を決めたという。

 各企業が自主的に公表すれば問題ないが、少子化、人口減少が早まっているという現状認識から言えば、両立支援を300人以下の企業にも拡大するため、届出を受理している県労働局が積極的に計画内容を公表し、各社の取り組みに関する情報の共有化を進めるべきだと考えるが、見解をお聞きしたい。

answer.jpg301人以上の一般企業は子育て世代向けの対策行動計画を昨年3月末までに届け出ることになった。行動計画は2〜5年の期間で目標をたて、育児休業の取得状況、時間外勤務の軽減等が主な内容になっている。届け出で状況は2月2日現在、298社中290社で届出率は97.3%になっている。全国平均は97%である。

 県としては300人以下の企業にも対策を要請しているが、行動計画策定報告は32社に止まっている。県としては 事例集を配布して具体的な働き方の提案を行う、経営トップのセミナー開催、100人〜300人未満の企業への戸別訪問実施、専門アドバイザーの配置、100人未満の企業は事業団体ごとの説明会開催等の対策を進めている。

question.jpg1946年〜1950年ころまでの5年間に、生まれた第1次ベビーブーム世代の人口は約1000万人ともいう。この人達は戦後から今日に至る日本の社会に貢献し、各方面の仕事や技術に大きな足跡を残してきている。その人達が2007年から一斉に定年に達し、その状況が数年続くという。

 少子高齢化社会といわれるなかでの大量退職は、各方面の仕事や技術の穴埋め、円滑な後継ができるのか心配される。優秀な労働力の確保、人材の確保についての施策を説明されたい。

answer.jpg静岡県内3ヵ所で若者を対象に職業訓練を実施している。各企業の中でも技術を中心にした訓練を実施している。また、労働力が減少し、高齢者の雇用は不可欠になってきている。65歳までの雇用延長を基本に取り組んでおり、平成18年4月から高年齢者雇用安定法が改正施行されるが、それを前に60歳定年を65歳に引き上げるなど、雇用延長を実施している300人以上の企業は、98.9%対応がすすんでいる。

 また、これをはずみに県では、高齢者雇用の企画を推進しており、就職準備セミナーを開催するなど、再就職希望者のため施策を拡大している。さらに、高齢者のライフスタイルセミナーやNPOで働く人のセミナー等を実施しており、いずれも定員の倍以上の人が集まっている。07年問題と農業の後継者問題とリンクさせるなど多様な働き方が求められている。

question.jpg勤労者の子育て家庭に対する経済支援の方法として効果的だと思われるのは、子どもの出産と健康維持を所得制限なしで無料化することではないか。また、出産や乳幼児医療に対する一定の補助の実施は承知しているが、少子化、人口減少対策の緊急性からみて、思い切った分かりやすい施策が求められている。

 また、通学年齢の子どもに対する放課後の児童保育の拡大についても、共働き家庭の 切実な要望がある。この点を含めて県の方針なり、独自の施策等があれば聞きたい。

answer.jpg少子化アンケートでは一人1300万といわれる経済負担が重荷と答える人が多い。児童手当は小学6年まで引き上げと聞いている。乳幼児医療の無料化では平成18年から所得制限を緩和する方向。就業支援では平成22年までに保育所、放課後の児童保育を420ヵ所とするよう取り組んでいる。また、小さい保育所や私設の保育所、障害児向けの施設など育児のガイドブックをつくって周知する等放課後保育をすすめている。


要望書第2項について(懇談時間30分)

要望事項

 居住環境のなかで、もっとも影響の高い地球温暖化問題について、国際的には京都議定書の発効にともない、各国の取り組みが進み、国内的にも各企業や家庭内の省資源化努力が重ねられています。県としての地球温暖化防止対策をどのように講じておられるかお伺いすると共に、民生部門における自然エネルギー、新エネルギーの普及と拡大に努力されるよう要望します。
 また、新年度から導入が予定されるという「もりづくり県民税」は、環境対策と森林保全のためと聞いていますが、その考え方と資金活用の方法についてご説明ください。

質疑応答

question.jpg昨年2月16日に発効した京都議定書をうけて、政府は温室効果ガスの排出削減に向け目標達成計画を閣議決定しているが、温室効果ガス総排出量の9割を石油など化石燃料の燃焼によるといわれる我が国では、産業部門の排出減と共に、民生部門とりわけ家庭部門排出量の削減が重要と考えている。このため、私たちはライフスタイルの見直しなど削減への取り組みを提起し運動を進めているが、行政においても普段の生活で、何をやったらどれだけ温室効果ガス排出量が減るかを県民に周知することを要望すると共に、民生部門における削減施策をどのように進めているかお伺いする。

 また、家庭部門における削減には、大量消費・大量廃棄型生活様式の変革が必要だと考えているが、このためには、環境税や省エネ製品への優遇税制の導入など、環境に配慮した生活が消費者にとっても有利になる社会だと思わせる施策が必要だと思う。県の立場からできることを積極的に支援し、県民生活の変革に貢献されるよう要望する。

answer.jpg企業向けには、事業者の排出を一層削減するよう条例を改正し、排出削減計画を義務ずけすると共に、その結果を公開していく。 温室効果ガス排出量を把握するため、省エネパトロール隊を活動させている。現在社有車等、車輛の排出削減を目指している。

 民生部門では、子どもが楽しみなから取り組めるよう、家庭内省エネの効率化が一目で分かる表などを配布している。家庭内の削減のため、各家庭の交流目標を定め県民が気づくようキャンペーンを行っている

question.jpg我が国のエネルギー自給率はわずか4%といわれている。その一方で事故が多発し問題の多い原発の稼働率が頭打ちの状況にあり、太陽熱、風力、バイオマスなどの自然エネルギー開発が盛んになっている。当面のコスト高を乗り越えて民生・家庭部門のエネルギー確保の柱になるところまで、行政の支援が必要かと思う。

 しかし、住宅用太陽電池パネルの設置を補助してきた経済産業省の補助制度は、本年度で終了するという。こうした新エネルギー設置を各家庭の新・改築に選択できるような施策を推進されるよう要望する。

answer.jpg新エネルギーについては「しずおか新エネルギー戦略プラン」をたて、従来型エネルギーを2010年には5%削減することを目標にしている。国の目標は3%になっており、2001年には2.2%、02年3,2%と導入率が向上しており、2010年に5.12%の導入率を達成することは可能だと考えている。

 平成17年度から県内2地区をモデル地区に指定して取り組みを加速している。その一つは天城地区で県営天城牧場において、バイオマスプラントによる発電計画をたて、平成18年以降、計画の実践に入る予定である。

 もう一つは大井川水源から河口までの市町を「大井川エコバレー」としてバイオマス、水表抽出等の調査を行い、来年以降具体的な作業をすすめ2〜3年で勉強会、3〜4年後から実効を上げていきたい。

 その他、燃料電池の活用、風力、水力発電も住民の合意を得ながらすすめていく。太陽光電池パネルの助成は、全国で30%程度助成を行い啓発の目的を果たしたものと考えたと思う。県単独の助成は本年考えていないが、こんご考えてみたい。

question.jpg静岡県においては、来年度から「もりづくり県民税」を導入し、その資金で森林の保全や里山の荒廃阻止など、山間地の環境対策に力を入れると聞いているが、県民に新たな負担をかけることでもあり、その考え方と資金の活用をどのように図っていくのかご説明をいただきたい。

answer.jpg林業の衰退に伴い県内全体に私有林の手入れが不足し、地域の環境を著しく損ねてきている。このため、共有財産を護るため、里山を元へ戻していく導入を考えた。税の使い道は林業の山を環境の山へ変えていく。山の姿を自然の姿に戻していくために使いたい。

 具体的な例として、竹林が環境を破壊している場合その伐採を補助する等のケースを考えているが、個人の私有財産整備に使う考えはない。金額的には個人で1時間400円、法人で1000円〜4万円程度を補助し、全体で84億円程度の予算を予定している。

question.jpg環境省は昨年5月、自治体のごみ処理方法の原則を定めた廃棄物処理法に基づく基本方針を改定し、家庭ごみの収集処理の有料化推進を明記したと聞いている。県内のごみ収集有料化の現状と県の指導方針についてご説明願いたい。

answer.jpg本県では、平成15年度で市町の42%、事業者84%がごみ処理の有料化をすすめ、ごみ処理の循環化もすすめている。

 その他、この項では参加者から里山の現状、木材の利用促進、林業の振興、新エネ・太陽光発電の展望、自動車の排ガス規制、ゴミ減量運動にみずをかける有料化促進反対等多くの意見が寄せられた。


要望書第3項について (懇談時間40分)

 近年、国の内外において自然災害が多くみられ、民間分譲マンションだけで172棟が全半壊したといわれる阪神大震災から11年が経過しても、なお、その傷あとは風化せず、昨年来、明かになった耐震データ偽装事件は、東海大地震が予想されている本県県民の自然災害に対する不安感を一層高めています。

 地震を含む自然災害対策をご説明願うとともに、住宅の耐震化への補助の充実、及び、被災者救済にあたり、被災住宅の再建や自然災害発生直後の避難・誘導など高齢者対策等の充実を要望します。

question.jpg阪神淡路大震災から11年、新潟県中越地震の後遺症など依然として自然災害に対する県民の不安は消えていない。東海、南海、東南海の三つの大地震が同時発生すると、死者は最悪2万人を越えるという予測もあり、スマトラ沖大地震やインド洋大津波など、発生時における避難対策の重要性を警告していると思われる。

 その一方で、相当以前から取り組まれてきた「地震予知」については、困難さはあるとはいえ、あまり大きな成果が得られていないとの声が聞かれる。予知への取り組み状況とこんごの見通し等についてお聞かせ願いたい。

answer.jpg本県の予知体制は、445の探知機があり、そのうちの134は常時モニタリングしている。スマトラ沖大地震の地域ではタイが1ヵ所、地域全体でも5ヵ所しかなかったと聞いている。この他、高密度で予兆をとらえるため、28ヵ所で地殻変動を観測しデーターを提供している。中央の地震判定会では毎月最終月曜日の定例会合で、これらのデーターを分析している。

 予知をはじめて30年、進展がなかったわけではなく、本県では変動がなかっただけだ。昨年7月と1月に異常を事前に感知し、愛知と長野の変動を捉らえ報知した。これなら予知はできると考え、平成15年4月から地震注意情報を出せるようになった。しかし、活断層型のものは確立されていない。日本には3698ヵ所以上の活断層があり、こんごの課題になっている。

question.jpg毎年行われている防災訓練が成果をあげていることは承知しつつも、その一方で昼間、若い人たちが働きに出て留守のときに、高齢者ばかりの地域で災害発生直後の避難誘導等について、不安を感じている向きが多くなっている。

 また、自主防災訓練等も回数を重ねてマンネリ化し、防災に対する意識の改革が求められているとの声もある。県民の防災意識向上について、施策や指導方針をお聞か願いたい。

answer.jpg本県の自主防災組織は5034組織あり、組織率は100%に上っている。しかし、アンケート調査では60%の人に防災意識の不足がみられる。このため、550名の防災指導員を配置し、各地域を巡回して啓発に努めている。また、静岡市に設置している「防災センター」への見学者は年々増加しており、最近では外国の観光客のコースにも組み込まれるようになった。

 防災組織の活性化推進委員を委嘱し年間3回程度開催して問題の把握に努めている。高齢者向けには、防災説明会の開催、防災訓練への参加、一人住宅本体の改築等の支援プランを策定し取り組んでいる。

question.jpg昨年来の耐震偽装建築について、行政の住宅建築確認審査に対する不安、不信の声が高まっている。本県においても数件の偽装疑惑が持ち上がっているが、掛川市のビジネスホテル等のケースでは県当局の審査を経ても偽装が見抜けなかったとの報道もあった。

 また、マンションやホテル等の鉄筋建築だけに止まらず、一般家庭住宅の建築確認審査は大丈夫かとの声も出ている。県当局の耐震偽装問題に対する対応方針をお聞か願いたい。

answer.jpg耐震偽装建築の問題は、建築基準法をゆるがす問題だと判断している。昨年12月から県が確認してきたものを再点検してきたが、平成14年〜17年のホテル・マンション104件は適正に行われている。こんご、複数の職員による点検、審査を行い、下請け・構造計算書作成者の明示まで厳正に行っていく。

 偽装問題について国の機関の見直し、調査、研究に関する中間報告が出たので、こんご、法改正をまって迅速に改善していきたい。 木造の一般住宅の場合、昭和56年5月以前の住宅耐震補助に30万円を上乗せする制度は続けたい。現行の確認では耐震補強として柱やすじかい等の確認に力を入れている。

question.jpg以上の回答に対し、参加者から「民がやることが適切なのか」「公の責任はないのか」等の質問が出され、以下の回答があった。

answer.jpg平成12年から民間業者が建築確認できるようになった。偽装と思われる16件のうち2件は県の確認で14件は国が指定した民間業者が行った。県の確認でも見抜けなかった以上、一概に民間の確認が悪いとは言い切れない。しかし、平成16年以降60%以上民間で確認してのに従事している人員は減っている。標準的なマニアルとなるプログラムも不足している。これをみると、どこの責任なのかというと疑問が残る。

question.jpgここは責任追及の場ではないが、今回の耐震偽装問題で県が見抜けなかったことは手落ちだが、姉歯をはじめとする民間会社は、意図的、意識的に偽装して利潤を得ており、官の審査と民の審査を同列におくことはできない。民間に確認をやらせることが悪いとは言わないが、民間業者は利潤のために仕事をしている以上、一定の監視と監督が公に求められていることを念頭において行政をしてほしいと要望した。

防災関係のホームページは次の通り。
http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/

 県政懇談会は以上で終了し、堀内副会長の締めくくりのあいさつの後15時に散会した。

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