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日本勤労者協議会連合会
にほん勤労者ネットワーク

No.82 2007年10月5日

第23回全国総会報告特集号

青森総会りんごとねぶたの青森総会
 ◎運動の共有へ香川・福島・福岡・青森から特別報告
 ◎歓迎・激励の言葉をいただいた来賓の方々
 ◎青森の歓迎に盛り上がる懇親交流会
 ◎4期、重責担った堀田昭夫さんが退任
 ◎藤田・石川県連会長が挨拶―「次期総会は石川で!」
新役員体制・ブロック別・県連別参加数
総会アピール
活動・財政方針小委員会報告
第1分散会「まちづくり」
第2分散会「組織づくり」
第3分散会「護憲・反核平和」


 

発行日本勤労者協議会連合会
Tel&Fax 054-273-5130
E-mail shizuoka@kinrokyo.net

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■「りんごとねぶたの青森総会」

青森総会

 日本勤労協第23回全国総会は9月9〜10日の両日、青森市・浅虫観光ホテルで、18県170名が参加し開催されました。 総会はねぶた囃子のオープニングの後、堀田・日本勤労協副会長が開会あいさつし、議長団に中田広昭・青森県実行委事務局長と藤田利男・石川県連会長を選出。

 主催者を代表して大沼信徳・日本勤労協会長が、地元青森の準備に感謝すると共に、「4つの統一課題に全力でとりくもう」と訴えました。続いて、地元の奈良岡克也・青森県連会長と下記の来賓の方々から歓迎と連帯のあいさつを頂きました。

 議事提案では、多名賀事務局長が経過報告と1号議案・07〜08年度活動方針、2号議案・07〜08年度財政方針、3号議案―物販計画を提案。3つの分散会で論議を深めることとし、決算報告、予算案については、活動・財政方針小委員会で審議することとしました。

青森総会

運動の共有へ香川・福島・福岡・青森から特別報告

休憩の後、運動の交流を深めるため4つの特別報告が行われました。

(1)「広域合併後の勤労協活動の活性化めざして」
   篠原清・香川県三豊市勤労協会長
(2)「まちづくりと勤労協―飯坂線・踏切設置の運動」
   武田精・福島市勤労協飯坂沿線協会長
(3)「憲法9条を広げる運動と勤労協のとりくみ」
   籾井伊佐雄・福岡県連事務局長
(4)「核燃料サイクル基地反対のとりくみ」
   逢坂重良・青森県平和労組会議事務局長

分散会討論に向け、リアルな問題提起になったと思います。

歓迎・激励の言葉をいただいた来賓の方々

◆蝦名 武・青森県副知事
◆佐藤健一・青森市副市長
◆山本信悦・連合青森会長
◆江良 實・青森県平和労組会議議長
◆三上 武志・社民党青森県連合幹事長 
◆小池正明・全労済常務理事
(石原直登・同全国組織事業本部事業企画部次長も出席)

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青森の歓迎に盛り上がる懇親交流会

青森総会

 夜の懇親・交流会は、芸能社中「川むら富士見会」による津軽三味線の力強い演奏でにぎやかに始まり、地元実行委員会の司会で県連別の紹介などが進められました。

 時を追うごとに会場は熱気に包まれ、飛び入りも次々と。最後は青森の仲間がねぶたばやしで踊りだしフィナーレとなりました。


 確かに青森は遠く、例えば北陸3県34名は夜行バスで12時間かかりましたが、青森の仲間の熱い歓迎に疲れも忘れたようです。奈良岡さんをはじめ実行委員の皆さん、本当にありがとうございました!

青森総会

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4期、重責担った堀田昭夫さんが退任

堀田さん

 2日目は朝8時半から2時間、「まちづくり」「組織づくり」「護憲・反核平和」3つの分散会を行った後、閉会総会に移りました。

 多名賀事務局長の小委員会報告をうけて、活動方針・財政方針・物販計画の3議案と活動報告及び決算報告・監査報告を原案通り承認した後、役員改選を行い、下記の役員体制を決定しました。

 事務局長3期・副会長1期あわせて8年の間、日本勤労協役員を担っていただいた静岡の堀田さんが退任し、代わって富山の酒井さんを副会長に選出しました。

 堀田さんには、日勤事務局が総評会館から転出せざるをえず、静岡県連に事務局を移行した、最も困難かつ転機となった6年間、事務局長の重責を担ってもらい、現在の体制を確立する原動力になって頂きました。心から感謝申し上げます。本当にご苦労様でした。


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藤田・石川県連会長が挨拶―「次期総会は石川で

最後に、18県170名の参加者による総会アピールを採択。次期(09年)開催県となる石川県連・藤田利男会長から「第24回全国総会の受け入れに全力を上げる」とのあいさつをうけ、大沼会長のガンバローで全日程を終了しました。

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日本勤労者協議会連合会07年〜08年度役員体制

会長:大沼信徳 (東北ブロック、宮城県連)(再)
副会長:高崎新 (九州ブロック、福岡県連)(再)
副会長:酒井桂之 (東海・北陸ブロック、富山県連)(新)
事務局長:多名賀哲也 (東海・北陸ブロック、石川県連)(再)
事務局次長:梨本重雄 (関東甲信越ブロック、新潟県連)(再)
幹事:篠原清 (中・四国ブロック、香川県連)(再)
会計監査:水上賢市 (東海・北陸ブロック、福井県連) (再)
会計監査:佐藤浩良 (東北ブロック、山形県連)(再)

青森総会

ブロック別・県連別参加数

▼東北80(青森25 秋田4 岩手4 宮城28 山形10 福島9)
▼関東甲信越14(新潟5 長野5 群馬4)
▼東海北陸47(静岡13 福井8 富山7 石川19) 
▼中・四国10(広島2 香川8)
▼九州15(福岡9 熊本4 鹿児島2)

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総会アピール

青森総会

 日本勤労協第23回全国総会は全国から170名の仲間が結集し、9月9〜10の両日、青森市・浅虫観光ホテルにおいて成功裏に開かれました。

  総会は全国の勤労協が統一してとりくむ4つの運動課題を確認しました。第一に、住民参加のまちづくりに積極的に参加し、地域に「市民が担う新しい公共の概念」を確立すること。第二に、市町村合併に伴って生じた組織問題等にとりくみ、勤労協組織の再確立を行うこと。第三に、地域住民の安全と生活環境を守るため護憲・平和・反核などの運動に積極的に参加していくこと。第四に、循環型社会をめざし地域における環境問題にとりくむことです。

  また、全国勤労協の組織の強化と拡大をはかるため、ブロック会議のいっそうの充実と自主財政の強化、勤労協自前の自治体議員をさらに増やし市町村勤労協の活性化をすすめること、各県連運営を確立することなども確認しました。

  先の参院選では、小泉・安倍政権6年間の格差社会激化・地方切捨ての勝ち組政治に対し、国民は初めて「暮らしが大事」と審判を下しました。教育基本法改悪、国民投票法の強行可決など―戦後レジーム打破という安倍首相の「実績」も明白に「不信任」されたと見ねばなりません。改憲への急ピッチの動きに一定ブレーキがかかり、平和を願う勢力には態勢強化の時間が与えられました。

 私たち勤労協は改めて地力を強化し、「新たな戦前の開始と格差社会に対抗し、少子高齢化に対応できる社会づくり」をめざし、地域運動を大きく発展させていきましょう。

2007年9月10日
日本勤労協第23回全国総会参加者一同

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活動・財政方針小委員会報告

▼1日目の特別報告と並行して開催。5ブロック・18県連役員を中心に30名が出席
▼座長・梨本重雄事務局次長
▼提案者及び閉会総会への報告・多名賀哲也事務局長

青森総会 はじめに多名賀事務局長から、総会で報告・提案できなかった05〜06年度の決算報告・同会計監査報告・07〜08年度予算案について報告・提案されました。監査報告は佐藤浩良監査(山形県連)が行いました。

  つづいて討論に入り、活動方針について多くの県連から「“身の丈にあった運営“が強調された。組織・財政実態を踏まえるのはよく分かるが、やはり運動への展望が必要」との意見、指摘が出されました。「課題は沢山ある。統一課題を設定して県連・ブロックをまとめていく。それを必ず日本勤労協ネットワークに集中・反映しよう」と確認しました。また、「今から次の自治体選挙や衆院・参院選挙に対応する意欲と準備をつくっていくべきだ」との意見をはじめ「自前の議員づくり」の重要性も強く指摘されています。

 決算・監査報告、第2号議案・財政方針と第3号議案・物資販売事業計画については原案通り承認されました。07〜08年度予算案については、未収金の計上額に一部ミスがあり、その訂正を含めて承認されました。

 第3号議案の物販計画については、次の全国総会の開催を確保する上で不可欠のものです。このとりくみの完全達成を重ねてお願いし、小委員会の報告と致します。

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第1分散会「まちづくり」 (発言要旨)

●座長 酒井桂之(富山県連会長)
◎執行部 大沼信徳(日本勤労協会長)堀田昭夫(同副会長)
*参加者 約50名 発言者8名

青森総会

◎提起(堀田副会長)
◆比良(石川県・志賀町) 
本年3月、志賀原発の臨界事故隠しが発覚。10日後には能登半島地震で大きな被害を受けた。原発が止まっていたのは本当に不幸中の幸い。「再開を認めるな」と署名運動を進めている。中越沖地震で原発の危険性と地震の過小評価がより明らかになった。署名への協力をお願いします。

◆斉藤(宮城県・村田町)
  5月まで8年間、助役・副町長をしていた。それ以前は勤労協副会長だった。村田町勤労協は29年間の歴史を持つが、町民から認知される組織になるためにも要求型から提案型の運動に変わってきた。3町合併協議がすすんだが、誰のための合併かということで、単独町制を守っている。勤労協への女性の参加が少ない社会的背景として、いくら男女共同といわれても、高齢化などで年々女性の負担が大きくなっていることも見逃せない。

◆板垣(新潟市巻町) 
新潟市に合併後の選挙でも、巻町時代の議席を確保し上位当選した。一時は選挙労連と攻撃されたが、住民のニーズを反映させるとりくみを行い、勤労協の認知を求めている。町立病院が民間に身売りしたが、救命救急窓口を確保することなどを市に申入れた。また、街路樹が交通安全の妨げになっていることでも改善を提案・申入れている。

◆座長 
富山県でも大合併で38⇒15市町村に再編され、とくに富山市が大きくなった。合併してよかったという声は聞かない。みなさんの所ではどうか。

◆古坂(石川県・津幡町)
  論議はあったが前・現とも町長は合併反対で、単独町制を維持。勤労協は結成50周年を迎えたが、先の町議選では組織内候補を擁立できなかった。しかし、ボートピア=場外舟券売場誘致反対運動にとりくむ中で市民運動との連携が生まれ、女性新人2名を推薦し当選した。ボートピア推進理由は町に2千万円余の収入が入ることだが、当町には禁酒運動で資金をため30年がかりで中学校を建てた歴史もある。勤労協活動は会員の行事参加

◆鈴木(静岡県・袋井市)
当市の勤労協は1951年に発足。県西部での勤労者組織づくりから始まった。会員は1,300人で自前の会館をもっている。かつては6人の市議を有したが現在は1人。市政懇談会は市執行部に会館へ来てもらって開催し、カーブミラー清掃や松の植樹などで市のまちづくりに協力している。また、団塊世代の退職に対応するため、シルバー人材センターを立ち上げ、会社から地域に戻ってきた人々をどう受け入れるか、対象者の要望を聞いた。無償ボランティアでなく有償で仕事する、利用者からも料金をとる。これを組織化して住民にPRすると利用者も増える。市職員ではやれない仕事が多いので、退職者のやり甲斐にもなる。

◆羽野(群馬県・伊勢崎市境) 
私はシルバー人材センターの事務局長をしている。90年に境町に人材センターの要望書を提出、99年に民間組織として立ち上げた(町から年300万円の補助金)。2年前の合併で伊勢崎市になったが、各センターの条件が違い、それぞれ独立して運営。現在、境のセンターは補助金280万円、会員200名、年間1億5,000万円の事業収入。収入の1割で5人の職員を配置し運営している。勤労協は河川の清掃や各種の厚生活動にとりくみ、市の表彰も受けたが、補助金は480万→280万→140万と年々減額され将来はゼロの惧れも。今後はシルバー人材センターとタイアップして何とかやっていきたい。(◆高橋 (同) 勤労協は研修会・講習会もやっている。)

◆岡本(静岡県連会長・浜松市選出県議) 
県議4期目。2年前に会長を受けた。議員として行政のパイプを活用しつつ、組織としてとりくんできた。実質的成果を上げるためにも議員は大切だ。また、他の団体との交流を深め、協力をすすめてきた。1例として、駅前の交通規制=一方通行化のとりくみで市・市議会・県・地元自治会などと連携・協力をすすめた。気軽に声をかけ、協力を得るよう心がけている。

◎まとめ(堀田)
(1)まちづくり基本条例のとりくみをみても、自前の議員をつくり育てることが不可欠だ。また、地域のコミュニティがなくなってきている。地域の人間関係づくりが勤労協活動の基本。
(2)補助金をあてにして役所の制約をうけるより、活動の方向を明確にして工夫した方が、利用者からも信頼され拡大できる。
(3)行政との関係では、政策立案能力をもって協働すること、行政懇談会を定期的に行うことが必要だ。(4)若い人を集める努力と退職者でやることを持っていない人に対し「一緒にやろう」とよびかけに回ることも大切だ。

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第2分散会「組織づくり」 (発言要旨)

●座 長 清水可晴(長野県連事務局長)
◎執行部 梨本重雄(日本勤労協事務局次長)篠原清(日本勤労協幹事)
*参加者約50名 発言者14名

青森総会●提起 (梨本)

◆中村(富山市藤ノ木)
  勤労協も先の参院選をとりくんできた。しかし、役員・会員の高齢化がすすみ、若い人が入ってこない。新旧交代をなかなか図れないが「継続は力なり」とがんばっている。

◆船川(香川県・高松市庵治)
  昨年の合併で高松市に入った。以前の勤労協は選挙時しか機能しなかった。そこでカーブミラー清掃、花壇作りなど環境問題からとりくみを始めた。財政は納税組合活動で補ってきたが、これも減額となってきたので、海水浴場の駐車場の管理を勤労協が行い、自主財源としている。20周年、39周年記念を活動の軸にして諸行事を企画・実行し、会員増加に努めている。

◆本(石川県・金沢市)
  金沢市勤労協は地区労の指導援助でスタートしたが、15年前に16の中学校区を基礎に再スタートした。選挙や色々あったが、現在は尻すぼみ状態。平和運動、憲法9条の問題などは餅は餅屋、平和センターなどでやってもらい、勤労協は別の課題を重点にとりくんだ方が良い。

◆矢野(熊本県連事務局長)
  県内を8地区に分け活動してきたが、中心になる人の高齢化がすすみ、活動は低下気味。学校区毎の活動(3小学校区を合わせて1つのブロックに)にして活性化しようと考えている。財政は助成金からの切替えを図ろうと物販コーナーを設けて、会費と併せ資金作りをしている。

◆須田(福島県・福島市)
  最近は様々な団体から来賓に呼ばれる。過去になかったことだ。参院選も要請をうけ勤労協から3人の選対を送った。悩みは高齢化。若い人が入ってこず新旧交代が進まず財政的にも苦しい。

◆増田(静岡市静岡)
  県内を東・中・西の3ブロックに分けて活動。5月の第45回県連総会では、役員の若返りを行った。幹事会の中に企画会を設け、5人による月1回の会議で日常運営と政策課題、統一課題の検討をすすめており、財政的にはきびしいが頑張っている。

◆佐藤(福島市飯坂)
  会員は個人加盟の70数名。自前の議員作り、運動の中での組織強化に力を入れている。議会報告会の中で道路交通問題をとり上げ、これを契機に福島交通労組が一緒に地域活動を行うようになり、団体会費も納入されるようになった。

◆三井(長野県連会長)
  県内勤労協の設立経過は様々だが、労組中心の勤労協は労組の脱退が原因で解散が続いた。合併に対応できず解散した所もある。このため6市町村で核になる人を中心に再建を進めている。日本勤労協として、今後は労組を動かすことも考えていかねばならないと思う。

◆遠藤(宮城県・名取市)
  各労組から団体会費を納入してもらい運営、活動している。以前は勤労会館があったが、公共の建設工事と敷地が重なって取り壊された。再建を要望しているが進展せず、困っている。

◆栗根(広島県・安芸地区)
  広島は3つに分けて活動しており、役員は市議も中に入って活動している。財政は労組の団体会費、平和センターの助成費、個人会費(年6百円)で運営。今後はカーブミラー清掃などボランティア活動を進めていこうと考えている。

◆渡辺(山形地区平和センター)
  地区労運動を中心に活動。都市部における勤労協づくりは人が中々集まらず進んでいない。

◆時田(青森県・五所川原地区)
  五所川原勤労協は現在、3つの地区に分かれて活動している。

◆小西(石川県連事務局長)
  県連の重点恒例行事は研究集会、フォーラム石川、年2回の物販。幹事会は年5回で、毎週事務局(会長、事務局長、次長)をもち日常運営を支えている。課題は個人会員の拡大と県連財政の確立。物販収入は25万円前後、県の補助金は減っていくし、労組の加盟費も10年前と比べ半分以下だ。各単協で個人加盟をさらに拡大し、自主財政の確立が必要だ。10市9町中、勤労協があるのは9市8町。地区労運動を継承する一方、勤労協独自の運動を進めている。

◆矢野
  全国総会は1泊2日だが、日本勤労協・ブロック・県連役員は前泊して各地の特徴的な運動をまとめ、それを総会・分散会討論の中で提起してもらえば、全国交流と討論が深まると思うが。

◎まとめ(篠原)
(1)高齢化が進み新旧交代が図れず会員拡大が進まない、また、補助金に依存し自主財源による運営ができていない単協が多く、とくに大合併の影響がきびしいことが共通の悩みである。
(2)政治、選挙との関わり。自前の議員づくりは、今後ますます勤労協活動の展望にとり不可欠だが、一方で平和運動などでの意見もある。また、社民、民主との関係を今後どうするか、、見直しも含め日本勤労協として検討が必要になろう。
(3)新旧交代、会員拡大のためにも女性の社会参加と勤労協加入を進めてほしい。女性の参加しやすい行事を企画し(ダンス、陶芸、太極拳、パッチワーク等)そこから役員をつくっていこう。

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 第3分散会「護憲・反核平和」(発言要旨)

青森総会

●座長 高柳勇(福島県連事務局長)
◎執行部 高崎新(日本勤労協副会長)多名賀哲也(日本勤労協事務局長)
*参加者50数名 発言者10名

●提起(高崎)

◆上田(石川県・羽咋郡市勤労協連合会)
  志賀原発を抱える郡市勤労協から署名への協力をお願いしたい。本年3月、志賀原発の臨界事故隠しが発覚。10日後の能登半島地震で原発が止まっていたのは本当に不幸中の幸いだった。「再開を認めるな」と署名運動を進めている。金沢地裁判決を全国でもぜひ生かして頂きたい。

◆石丸(福島県・双葉地方勤労協)
  中越沖地震と柏崎刈羽原発の実態は全国に大きな衝撃を与えた。双葉郡も原発が集中立地する。世界有数の地震国に、活断層の上に55基も原発があることが異常だ。寿命40年と仮定し稼働率80%でないと原発は採算が合わない。そこで国は、これだけ耐震性が問題なのに原発の運転期間を逆に13ヶ月から24ヶ月に延長する方針だ。停止を求める国民運動を起こしていこう。

◆星村(鹿児島県・奄美ブロック)
  奄美の平和を考える村民会議で、村長による高レベル廃棄物処分場の誘致の動きに反対してきた。これは過疎に悩む各地で画策されている毒入りの飴玉。今後、奄美がめざす世界遺産登録の運動にも参画し、勤労協を組織していきたい。

籾井(福岡県連事務局長)
退職者には二つのタイプがある。職場で生き残るのに力を使い果たした人と、現役中できなかったことを思い通りにやって生活したい人と。後者こそ勤労協は集中して組織すべきだ。飯塚勤労協では女性3団体、退職者3団体、政党でも活動している仲間が共に生き生きと動いている。このままではダメという思いがあるなら、街に出よう、問いかけよう。何も難しいことではない。我々主権者が国や地域を動かす権利と力がある。頭の中だけなら戦前回帰に加担してしまう。

◆奈良岡(青森県連会長)
  再処理工場は耐震設計ミスでまたまた停止した。(議案書p36参照) プルトニウム利用・核武装能力の確保という危険極まる国策が地震が続く中でもプルサーマル計画や奄美のように高レベル廃棄物の最終処分場問題と青森に核燃料サイクル基地を押しつけている。一方、米軍再編でバンドレーダーなどミサイル防衛構想が浮上し、三沢などでもテロ攻撃の対象が増えていく。青森は全国の縮図だ。6月に続き10月にも全国集会をもつ。皆さんの支援・協力を訴えたい。

◆座長
  原発関連では、自治体の自助能力を失わせる3法交付金の弊害も指摘されているが・・。

◆多名賀(執行部)
  志賀原発2号機の建設では250億もの巨費が交付された。能登半島地震の復旧ならともかく、うち41億が旧志賀町の町内会にバラマカれる予定だ。震災被害が大きかった旧富来町では、何のための合併かと憤慨する人も多い。郡市勤労協連合会は志賀町勤協を支え活動している。

◆石丸
  福島原発でも30数年間で約2兆1千億円の投資と約1800億円の交付金があった。しかし、6町2村の公債比率は27%にも。私の富岡町は公債比率20%、人口16,000人で1人当たり100万円の借金になる。佐藤前知事の逮捕はダム工事に関わるもので、双葉郡でもダムが並ぶ。公共事業と土建業者の癒着、借金三昧でも止められない体質になってしまった。

◆伊藤(福井県・坂井市)
  坂井市は福井市北部4町が合併してできた。20年程前から10フィート運動を契機に、8月親子映画会を4町の勤労協でやってきた。当時子どもで今は母親の人もいる。止めるわけにはいかない。反戦平和の草の根運動として、今後も続けていきたい。

◆福井(静岡県・静岡市)
  退職後、勤労協に加入し活動を始めた。2年前に県平和センターなど4団体と県下9地区代表で「憲法9条を擁護し実現する会」が発足。御殿場には陸上自衛隊の演習場もある。5月の憲法フォーラムは若い人の参加もあり、バンド演奏もあった。昨年、熱海をはじめ県内各地でもフォーラムを開催してきた。退職すると日常のヨコのつながりと情報が途絶える。退職者協議会への働きかけなど、会員拡大へ自分でもできることから組織化を進めていきたい。

◆執行部(高崎)
  憲法でも脱原発でも「国民運動」は自然発生的には起きない。多くの人が何をしていいのか分からないのが現状。組織をもつ勤労協自らが危機感を持って問題提起し、運動の仕掛け人になってほしい。そのためにも原点に返って組織を見直すべきだ。組織は定期的に集まることから始まる。福岡県連は必ず月1回集まり、報告と課題を持ち帰っている。

◆座長
  来年4月から75歳以上は国保から外れ、後期高齢者医療制度に入れられて夫婦とも保険料をとられる、年金から天引きで。65歳以上の人も天引き可能となる。また、高校の学区制もなくなると、さらに格差が広がる。勤労協がとりくむべき課題は沢山あるのではないか。

◆工藤(秋田県平和労組会議)
  学区制だけでなく少子高齢化で高校の統廃合が進む。塾の増加も格差社会の反映。雇用問題から人口流出も多くなっており、地方の現実は深刻。しかし、希望もある。秋田でも過疎の中で高レベル廃棄物処分場誘致が持ち上がったが、住民運動で阻止できた。広島・大久野島の毒ガス汚染土壌の洗浄を秋田でしているが、それがどこへ行ったかを追及する課題もある。

◆籾井
  昨年、地区労センターが連合に移行したが「地域共闘会議」として連合の中に残した。平和の課題では講演会が多かったが、屋外集会・デモを求めてきた。一昨年から長崎の集会に連合地協から「憲法の会」のメンバーを派遣できた。労組に火をつけていくことも勤労協の大切な役割だ。

◆座長
  私は福島市飯坂勤労協を支持母体に福島市議にでている。全国の自治体議員団会議に出席すると規模はかつての4分の1位になった。しかし、他方で20代の議員も生まれており、いずれも労組丸抱えでなく地域の課題を懸命にとりくむ中で当選している。地域の中の信頼関係が勤労協の生命線。平和の課題もそこを踏まえてがんばっていこう。

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